>>73
法律案の定義する「国家秘密」の範囲は極めて広汎かつ無限定であり、その構成要件の不明確性は明白である。しかも「秘密」の指定は政府等行政当局の専権によるのであり、行政当局の「秘密」に対する恣意的判断が、刑事裁判の場においてもそのまま押し通されることになる危険性は過去及び現在の実務に照らして極めて大きく、本来国民に開示されるべき「違法秘密」の公表も、重罰を覚悟のうえでなければできなくなってしまうのである。


また、法律案は、行為類型として、「国家秘密」についてこれを「探知・収集」する行為・「外国に通報」する行為・「他人に漏らす」行為の三つに分類したうえ、目的・態様・行為主体等の組み合わせによって多様な類型を定めているが、それらはいずれも無限定であり、取材・報道の自由が著しく侵害されることは勿論、一般市民の日常生活における行為が広く処罰の対象とされることになり、国民はおよそ時の政府が発表する範囲内での情報しか得られず、その範囲内での議論しかなしえないことになるのである。